ナラティヴ・アプローチ特別講座第二弾「組織に働きかけるナラティヴ・アプローチ」を実施しました。

さる4/4に国重さん(Kouさん)をお招きして、プロセス探求サロン「ナラティヴ・アプローチ特別講座」第二弾を実施しました。

テーマは、「組織に働きかけるナラティヴ・アプローチ」

第一弾では「問題解決にはまり込まずに問題をほぐす“ナラティヴ・アプローチ”」の中で、Kouさんから、組織開発での語りについて、場合によっては問題をより支配的にしてしまう可能性への示唆がありましたが、今回はそれに呼応する形で、まずは、組織開発というものについて松本加奈子さんから解説いただき、その上で、Kouさんから、組織開発で語られている言葉をナラティヴ・アプローチの視点から読み解いていただきました。

社会構成主義の概念が広まる中で、選択する言葉の影響は、実は計り知れないものがあるんだということを知ることが出来ました。
その言葉によって、他者を定義づけてしまうことは、無意識の中で行われていることかもしれず、無自覚に分断や排除の構造が生まれてしまう懸念を改めて考えさせられました。

また、他者の語りから内的対話が促進されるという意味でリフレクションという概念が組織開発の中でも重要なものとして位置づけられていますが、「reflective」と「reflexive」には、微妙な違いがありそうなのだ、というところは他所ではあまり語られていないことかもしれません。ここについては、まだ上手く言語化できてはいませんが、自ら顧みる意志も含めたものとしての「reflective」と、言葉が自分の中をトレースしていった結果として「reflexive」という状態になった・・みたいな違いがありそうです。上手く説明できず申し訳ありません。

この講座をきっかけに、組織開発の倫理的なところをはじめてとして、講座の後にも対話が引き継がれていくお話も聴いており、参加者それぞれの立場でも影響の受け方は違うかもしれませんが、皆さんにとっての学びやいい刺激になり、組織への眼差しに何らかの変容がもたらされたなら嬉しいです。

あらためまして、ご参加ありがとうございました!

 

参加してくださった方より

  • 後半は初めて聞く概念が多く、理解できないことが多かった。それでも対話の時間は学びになった。
  • OD実践者ではないので、直接的に役に立たせることが出来るかどうかはわかりませんが、スタンスとして、大切にしていきたいことは認識出来ました。
  • 創造的破壊やカオスに関するコウさんの視点はなるほどと感じました。時間軸の視点も面白かったです。とても考えさせられました。対話型組織開発を読む視点に気づきがありました。
  • 一度価値観がリセットされるというか今までの価値観が否定されるというか、そんなところについて再度考えてみるスタートになりました。
  • かなり難しい内容でしたが、またゆっくりかみしめていきたいと思います。
  • 創造的破壊って、パワーの行使を感じてしまいましたが、コウさんの思いで救われました。
  • 対話を通じ少数意見を取り入れる機会を作ることで、組織活性化のヒントになるのではと思いました。
  • ナラティブ初心者にはとても難しい内容だったのですが、ディスカッションや対話によって少しずつ謎が溶けていくような印象でした。もちろん全部が溶けたわけではなく、たくさん・・というより大部分が残っているのですが、それはこれからの楽しみかなと。
  • 人を理解していくうえで語ってもらうことを丁寧に聞いていくことがやはり大切なんだということを感じることができました。
  • 組織開発について、改めて自身の関わりを考えるきっかけになったこと。また、ナラティブ・アプローチをどう組織に働きかけるか、現時点では迷路にあるような感じですが、どう現場に活かしていきたいのか、問いかける機会になったように感じます。また、外部の人間として、組織開発に関わる上においての倫理、道徳観なども考えていきたいと思いました。
  • 問題を解決する事にばかり焦点を当てるよりも、問題について話し合える事、その場所作りが長い目で見ると圧のない変化が生まれると思いました。
  • 何にしても対話が大切と思いました。また、存在することだけでも影響力があるというかそれだけでもコミュニケーションなのだというか、改革、変化の一つの要因になりえるというところ、全然関係ないですが、「君たちがいて僕がいる」を思い出しました。
  • 「今変わらないと」という危機感を持って仕事をしていた時、経営トップの近くにいたこともあってかなり強権的な活動を企画して展開したことがありましたが、全くうまくいきませんでした。営業部門にも、開発生産部門にも、それぞれの行動パターンや歴史があって、組織のナラティヴ、ひいてはそこに所属している個のナラティヴを聴いていこうという対話が必要だったのだ、という経験を、このお話が経験値に変換してくれたような感覚がありました。
  • 自分が抱いていた懸念と一致したため、十分に気を付ける分野であることを再認識しました。
  • 普段から「創造的破壊」なる言葉に違和感とある種の恐怖を感じていた理由が、Kouさんの説明を聞いていて、わかった気がします。
  • ナラティヴは相手のことは語らないで(だから相手を攻撃しない)、相手をどうみなすか、相手にどう接するかだから、恐ろしいほどの破壊を経験しないで、組織開発が出来るのかなと思った。
  • 対話型組織開発を読了しても自分が気づいていなかった視点を提供していただき、対人支援職としての倫理の大切さが身に沁みました。
  • なぜodの人たちがナラティヴに繋がったかが少し理解出来た感じがしたところです。まだまだこれから作っていくという事なんだろうなと思い、僕がさらにodについても学びたいと思ったところです。
  • ①ODの実践において、自分たちが用いる言葉とその影響への意識を向けるきっかけになったこと、②そして、単なる言葉のチョイスにとどまらず、よって立つ価値観と倫理の大切さに目を向けるきっかけになったこと、③何を見て、何を問いかけるのかの意味をより深く考えるきっかけになったこと。
  • 中小・小規模企業の支援に携わっていると、トップと社員の思いのズレに遭遇します。これを、仕組みだけで解決しようとすると上手くいかないことが多いです。Kou先生の問いかけは、組織の風土改善をするための仕掛けとして、人それぞれの”気づき”が有効であるとのヒントになりました。
  • 「対話型組織開発」の本は読んでいなかったので、理解できない面がありましたが、こうさんに視座を頂きましたので、読む機会あれば理解がズムーズになりそうです。また、ナラティヴ・アプローチを現場で使う上での視座は得られたようには思います。まぁ、かなりハードルは高いですが…
  • 変化していく過程で痛みを伴うことはあり得るが、それを当たり前と思うことは避けたい。学べば学ぶほどある種の権威的存在になっていく可能性があるが、注射を打たれている人は痛いのである、ということを感じながら共に存在できるようでありたい。一方で自然界における自己組織化にかかる時間軸は組織においては相容れない。この壁をどう乗り越えるかという現実は残る。考え続けるテーマをいただいた。また自分のありようを磨き続ける道程を歩む覚悟を突き付けられたとも言える。最後のこうさんの問いも、HowToよりも自分の姿勢スタンスに目を向けさせてくれた。やはりそこに着目することがより良き自分に向けて重要だと感じた。
  • 自分のかかわりのある場について、違う視点から整理できた。
  • 組織開発とナラティブの可能性を感じることができ、もっともっと探究したい気持ちになりました。そして、在り方が本物であるか。それを自分に問われているような気がしました。そして、言葉の重要性も。どういう言葉を使うのかは、その人がどういう世界を見ているのか。それを改めて大切にしたいと思いました。
  • いい組織したいと考えることも、組織のメンバー人数分の物語があると改めて感じました。組織開発の目的や倫理的なことも含め、もう一度丁寧に進めることの必要性を問いかけていただいたような気がします。
  • 理念や価値観への言及が薄い、技術として使われてしまうリスクについてのご指摘は、ODの成り立ちというか変遷の影響もあるのかもしれませんが、確かに大切なところが欠如していることへの警鐘をいただいたと感じます。
    「対話型組織開発」の書籍は、研究者の一解釈だと捉えていましたので、そこまで詳細に見ていませんでしたが、「創造的破壊」の先に生じる懸念まで視野に入れていくと、ご指摘いただいたように、見過ごせない表現がありますね。また、reflectiveとreflexiveの違いは、ありがたい情報でした。まだうまく表現できませんが、個としての内省と、関係から生じたことをベースとした内省の違いのような感覚があります。
    組織の中にナラティブ的な前提を整えていくためには、どうしたらいいのだろうか、という大きな命題はありますが、黒人の公民権運動のように、小さな取り組みの積み重ねが、閾値を越えた時に大きな変化を生み出すと考えれば、コツことと取り組んでいくことが大切なのかな、と感じています。
    「どうやったら、いつもの異なる視点に立って話をしてもらうことができるのだろうか」という問いは、そのための”はじめの一歩”になりそうだと感じました。
  • 組織開発を学んでいる途中ですが、今回いつもとは異なる文脈の中で組織開発について伺うことで、さらに深くその意味について考える機会になりました。組織開発を実践する側でも、そのように感じたことだが、否定するのが難しいから。
  • 参加前に期待していたのは、ナラティブ・アプローチと対話型組織開発の相乗効果によって、人や組織にさらなるポジティブな働きかけができるというイメージでしたが、実際に参加しての感想としては、ナラティブ・アプローチの視点から見た対話型組織開発の解釈という感じで、お互いが融けあうような印象はあまり持たなかったので、当初の期待とは違っていたかなと思います。ただ、一つ一つの言葉へのこだわりや、他者に働きかけるものとしてのあり方については非常に学ぶものが多く、背筋が伸びました。
  • 本題からずれるかもしれませんが、「倫理」から考えていくこと、そこから考えたことを自分の姿勢としていくこと、本に書いてあることをどのように捉えて、自分の姿勢に、どのように取り入れて(あるいは取り入れないで)いくのか、は、ずっと考え続けていくことなのかなと思いました。そして、“Do No harm”から、「チクチクしない」「圧のない」にも繋がるのかなということや、「言葉」で表されていることの影響の話から、自らの「力」がどのように影響を及ぼすのか、また、組織のメンバー間で、どのように及んでいるのか、あるいは押さえ込まれているのか、そんなところにも目が移ってもいきました。グループディスカッションでは、薄い記述をキーワードに、どのように視点の変更ができるのか、視点の変更の前に問うことがあるかも・・・と、わいわい話していました。